トピックス

年別トピックス一覧

2023年

2024年1月26日
1月1日付で聖マリアンナ医科大学病院に「細胞治療センター」が設立されました。佐野文明特任教授がセンター長に就任しました。造血幹細胞移植をはじめ、今後大きく発展が予想される細胞を用いた様々な治療の実践と開発を行う予定です。
2024年1月17日
新井文子主任教授より「辰年を迎えて」年頭のご挨拶を掲載いたしました。
2024年1月17日
新井文子主任教授の研究グループ(東京医科歯科大学・西尾美和子准教授他)による原著論文「Clinical significance of anti-Epstein–Barr virus antibodies in systemic chronic active Epstein–Barr virus disease」が国際学術誌「Frontiers in Microbiology」に公開されました。慢性活動性EBウイルス病患者の抗EBV抗体価の特徴とその意義を解析、検討した論文です。やはり感染細胞に対する免疫異常が背景にありそうです。
2023年11月17日
中国・同済大学から短期留学中のQu Yiyangさんの当科病棟実習が始まりました。詳しくはFBの投稿、こちら
2023年11月17日
10月13-15日に東京で開催された第85回日本血液学会学術集会で、東京医科歯科大学との共同研究「CAEBVのEBV感染細胞由来細胞外小胞は単球のマクロファージへの分化を誘導しHLHの原因となる(Extracellular vesicles of EBV+ cells of CAEBV induce differentiation of macrophages and cause HLH )」を同大学院生洲崎瑛莉さんが発表しました。CAEBVでは、感染細胞が様々な物質を分泌してまわりの細胞に取り込ませ、その機能をコントロールして(味方につけ)発症、進行していくのではないか?という仮説を検証したものです。「朱に交われば赤くなる?」治療法開発のカギになればと考えています。詳しくはFBの投稿、こちら
2023年11月17日
10月13-15日に東京で開催された第85回日本血液学会学術集会で、伏屋愛加診療助手が「慢性活動性EBウイルス病に対するアレムツズマブ の有効性の検証」を発表しました。GVHD予防として造血幹細胞移植の際に使用される抗CD52抗体アレムツズマブにCAEBVの感染細胞を抑制する効果があるのでは?というデータを発表しました。根治薬の開発につながることを願っています。詳しくはFBの投稿、こちら
2023年10月23日
臨床検査データブック コンパクト版 第12版』(医学書院)が発行されました。1月に発行された『臨床検査データブック2023-2024』をコンパクトに編集したハンドブックです。安井寛非常勤講師が「フェリチン/CA19-9/CA15-3/CA125/ヒトパピローマウイルスDNA」を分担執筆しました。「ポケットに入れてご活用ください」詳しくはFBの投稿、こちら
2023年9月22日
新井文子主任教授の総説「EBV陽性リンパ増殖性疾患の診断と管理」が日本血液学会の和文機関誌「臨床血液」8月号に掲載されました。慢性活動性EBウイルス病の最新情報に加え、2023年発行の「CAEBVとその類縁疾患の診療ガイドライン」で新たに公開した種痘様水疱症リンパ増殖異常症、重症蚊刺アレルギーの診断基準も掲載しました。臨床の場でぜひご活用ください。
2023年9月22日
初期研修医、四柳敬之君の論文「Leukemic-phase mucosa-associated lymphoid tissue lymphoma」が国際学術誌「International Journal of Hematology」に掲載されました。ローテーション中に担当した「白血化した #MATLリンパ腫 の症例」の病態解析をまとめたものです。
2023年9月1日
上村悠助教の原著論文「Aortitis after administration of pegfilgrastim to a healthy donor for peripheral blood stem cell collection」が国際学術誌「International Journal of Hematology」に掲載されました。ペグフィルグラスチムを用いて末梢血幹細胞採取を行った移植ドナーに発症した大動脈炎の報告です。同薬は近年使用頻度が増えており、注意が必要と考えます。オープンアクセス、ぜひご覧ください。
2023年9月1日
7月15日に甲府で開催された第19回日本血液学会 関東甲信越地方会で伏屋愛加診療助手が「BCR-ABL1陽性急性骨髄性白血病を発症した骨髄異形成症候群」、小川和起任期付助教(腫瘍内科)が「骨病変で発症した成人 T 細胞白血病・リンパ腫」を発表しました。前者は骨髄異形成症候群から白血病発症過程を考察した報告で多くの質問をいただき勉強になりました。後者は骨腫瘤 の鑑別について示唆に富む症例報告でした。詳しくはFBの投稿、こちら
2023年8月4日
診療看護師(NP、Nurse Practitioner)の卒後研修プログラムで血液内科が加わりました。本学で5年前にプログラムが始まって以来、初めてです。NPは厚生労働省が認定している特定行為(21区分38行為)研修を修了した看護師です。今回は特に造血幹細胞移植を中心に研修していただいています。様々な処置、指示に加え、患者さんへのケア、教育、アドバイスを担当して頂きます。患者さんひとりひとりが最良の治療を受けることができるよう、共に頑張りましょう。
2023年8月4日
7月9日に東京・オンラインのハイブリッド形式で開催された日本内科学会第68回関東支部生涯教育講演会で新井文子主任教授が「血球貪食症候群~背景疾患を見極める~」を講演しました。
2023年8月4日
7月7-8日に松山で開催された第36回ヘルペスウイルス研究会で、新井文子主任教授と共同研究者の東京医科歯科大学研究グループが「EBウイルス陽性T/NK腫瘍細胞由来細胞外小胞の単球に対する役割」を発表しました。詳しくはFBの投稿、こちら
2023年5月29日
ペルーUniversidad Peruana Cayetano HerediaからKeimi Segami Shigyo さんの短期留学(2か月)が始まりました。病棟患者の診療、基礎研究に参加いただく予定です。詳しくはFBの投稿、こちら
2023年4月26日
玉井勇人准教授の研究課題「KMT2A/AFF1陽性急性リンパ性白血病のS100A6阻害併用造血幹細胞移植 法の確立」が独立行政法人日本学術振興会の「令和5(2023)年度科学研究費助成事業 基盤研究(C)(一般)」で採択されました。この研究の目的は、Amlexanox 併用造血幹細胞移植の治療効果を動物レベルで検証し、KMT2A/AFF1陽性急性リンパ性白血病の新規治療法を開拓することです。詳しくはFBの投稿、こちら
2023年4月26日
日本臨床増刊 2023年03月号『新リンパ腫学』(日本臨牀社)が発刊されました。大橋彩香特任助教、上村悠助教、新井文子主任教授が「Epstein-Barr VirusによるT、NK細胞の腫瘍化のメカニズム」を執筆しています。
2023年4月21日
2023年3月23日に共同研究者である東京医科歯科大学 先端血液検査学 西尾美和子准教授グループの大学院生、南川愛莉さんが第22回日本再生医療学会総会(京都)で「慢性活動性EB ウイルス病 (CAEBV) 患者由来iPS 細胞の樹立と評価」を口頭発表しました。共同研究者の東京医科歯科大学西尾美和子准教授グループが慢性活動性EBウイルス病のiPS細胞 の作成に成功し、その成果を発表したものです。CAEBV 発症の謎を解き明かす突破口にしたいと思います。詳しくはFBの投稿、こちら
2023年4月21日
2023年3月19日に第31回EBV感染症研究会が九州大学病院キャンパス・ライブ配信のハイブリッド形式で開催されました。当科からは2演題(鈴木黎任期付助教「Alemtuzumabを用いたHLA半合致造血幹細胞移植が奏効した成人発症慢性活動性EBウイルス病」、学生竹ノ内里早さん「慢性活動性EBウイルス病に対するBCL2阻害剤の効果の検討」)と東京医科歯科大学 との共同研究1演題(先端血液検査学分野・吉森真由美特別研究員「慢性活動性EBウイルス病のEBV由来microRNA発現プロファイル解析」)に加え、パネル ディスカッション「CAEBVの診断基準と重症度分類について」に新井文子教授がパネリストとして参加しました。CAEBVを中心としたEBV関連疾患の問題解決に向けて熱い議論が交わされ、CAEBVの指定難病認定に向けてガイドラインや重症度分類の整備をしていくことで意見が一致しました。患者さんのために一致した目的を共有できた貴重な会となりました。
2023年4月21日
今年度最も付加価値稼働額が多かった科として、2023年3月17日に2022年度川崎市立多摩病院病院長賞が当病院血液内科に授与されました。部長・玉井勇人准教授が表彰式に臨みました。詳しくはFBの投稿、こちら
2023年3月30日
2023年3月11日に伏屋愛加先生が第18回 日本血液学会関東甲信越地方会で「アザシチジン・ベネトクラクス療法が奏効した皮下腫瘤合併急性骨髄性白血病」を発表しました。多くの質問を頂く素晴らしい発表になりました。詳しくはFBの投稿、こちら
2023年3月10日
研究技術員の募集を開始しました。日本医療研究開発機構(AMED)プロジェクトに関わる分子生物学的実験の補佐のお仕事です。(細胞培養、細胞刺激実験、PCR、フローサイトメトリー、ウェスタンブロッディングなど)勤務は週3~5日、日数や時間はご相談に応じます。詳しくは大学求人サイト、こちら
2023年2月24日
臨床検査データブック2023-2024』(医学書院)が発行されました。安井寛特任准教授が24項目を分担執筆しました。詳しくはFBの投稿、こちら
2023年2月24日
第45回日本造血・免疫細療法学会(2月10-12日、於名古屋)で発表しました。
  • 井上靖之教授「HLA 半合致同種移植後、FK506 血中濃度調節が困難であったAML 合併Shwachman-Diamond 症候群成人例」(ポスター)
  • 上村悠助教「ペグフィルグラスチム投与後の末梢血幹細胞移植ドナーに発症した大動脈炎」(ポスター)
  • 鈴木黎任期付助教「Alemtuzumab を用いたHLA 半合致造血幹細胞移植が奏効した成人発症慢性活動性EBウイルス病」(口頭)
詳しくはFBの投稿、こちら
2023年2月13日
今日の治療指針2023年版』(医学書院)が発刊されました。新井文子主任教授が「血球貪食症候群、血球貪食性リンパ組織球症」を執筆しています。
2023年1月27日
慢性活動性EBウイルス病とその類縁疾患の診療ガイドライン2023』(株式会社診断と治療社)が発行されました。ガイドラインは厚生労働省CAEBV研究班が作成し、2016年に発行されました。そのガイドラインを改訂したものです。当科の上村悠助教、平川経晃講師(当時)がシステマティックレビューを担当しました。
2023年1月20日
新井文子主任教授「卯年を迎えて 年頭のご挨拶」を掲載いたしました。
2023年1月18日
玉井勇人准教授が本学のベストティーチャー賞を受賞しました(講義部門第3学年4位)。詳しくはFBの投稿、こちら

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2022年を迎えて

早いもので聖マリアンナ医科大学 血液・腫瘍内科教授を拝命し、3年が経とうとしております。皆様には格別のご指導、ご高配をいただき、誠にありがとうございました。厚く御礼申し上げます。

この間、予想もしなかった新型コロナウイルスパンデミックが私たちを襲いました。感染者急増の中、一時は通常の診療、研究、そして教育が遂行できない事態となりました。しかし、そのような危機的状況であればこそ、見えてきたものがございます。その一つが、月並みですが「仲間の力」でした。困難に立ち向かう中で、お互いカバーし合い、そして思いやれる血液・腫瘍内科になれたと確信しております。

オミクロン株の出現とともに、パンデミックも新たな局面が予想されます。血液・腫瘍内科も大きな影響を受けると推測しています。しかし、私は今「この仲間となら、何とかなる、何とか出来る」と希望を持っています。そしてこの先も持ち続けたいと思います。この「くじけない楽観主義」を2022年の柱とし、さらに発展する一年にしたいと思います。

写真は上高地の梓川です。この流れのように、清らかに、しなやかに、そして大地を潤す存在としての血液・腫瘍内科でありたいと思います。始まりは小さいかもしれませんが、やがて大河になれるよう、医局員一同邁進いたします。

本年も何卒よろしくお願い申し上げます。

2022年1月
聖マリアンナ医科大学血液・腫瘍内科教授
新井文子