教授よりご挨拶
卯年を迎えて 年頭のご挨拶
新しい年とともに、聖マリアンナ医科大学病院血液内科は新病院に移動しました。最上階、11階南東の一角に、6床の個室を含んだ18床のクリーンユニットを備えています。ユニット内は、病室のみならず、フリースペースも広くとりました。治療、処置はもちろん、リハビリテーションにも有効活用したいと考えております。窓の外に目を移すと丹沢、多摩の山々の向こうに富士山が見えます。ランドマークタワー(横浜みなとみらい)、東京スカイツリーを望むこともできます。新病院では急性白血病をはじめとする難治性血液疾患に対し、より質の高い、かつ安全な、造血幹細胞移植、化学療法等を積極的に行う所存です。さらに、長期入院が必要な患者様に快適に過ごしていただくよう、他にはない試みも計画しております。どうぞ、ご期待ください。
昨年は、国内外ともに予想外の出来事の勃発の連続に、私達は息をのみました。まさに激動の時代でした。その背景には個々の状況の「多様化」があり、その解決が如何に困難か浮き彫りになった、そう思えてなりません。医療も同じです。患者さんの状況もより複雑に「多様化」しています。地域医療、多くの併存疾患、高齢化、難治疾患。私達医療者には、それらを受け入れ、寄り添い、よりよい方向へと進めていくスキルとパワーがこれまで以上に求められています。
そのような中、聖マリアンナ医科大学血液・腫瘍内科には昨年、大島久美先生、安井寛先生、伏屋愛加先生、内田三四郎先生の素晴らしい先生方が4人加わってくれました。法人内三病院では、多摩病院は造血幹細胞移植を開始、西部病院は化学療法の充実、大学病院は新病棟での診療開始、と大きな発展が期待されています。
今年は、聖マリアンナ血液内科の新たな出発の年と位置付けたいと思います。干支はうさぎ。武器は大きな耳を活かした探索力、強靭な脚力を活かした敏捷性と跳躍力です。からだは小さいかもしれません。しかし秘めた行動力は無限です。
一同、診療、研究、教育に邁進し、更なる飛躍を目指してまいります。
本年も、何卒よろしくお願い申し上げます。
2023年1月
聖マリアンナ医科大学血液・腫瘍内科主任教授
新井文子
略歴
- 昭和63年3月
- 新潟大学医学部卒業
- 昭和63年6月
-
東京医科歯科大学医学部附属病院医員
(東京都立墨東病院内科医員、東京都立駒込病院血液内科医員) - 平成5年9月~平成8年3月
- 第一子および第二子出産のため、産休・育休開始
- 平成8年4月
- 東京医科歯科大学大学院医学系研究科博士課程(内科学専攻)入学
- 平成12年3月
-
医学博士取得(東京医科歯科大学)
学位論文題目「CrkL activates integrin-mediated hematopoietic cell adhesion through the guanine nucleotide exchange factor C3G.」 Blood. 1999 Jun 1;93(11):3713-22.
(宮坂信之教授、三浦修教授ご指導) - 平成13年4月
- 東京医科歯科大学医学部 非常勤講師
- 平成14年11月
- 東京医科歯科大学大学院 腫瘍制御学分野 助手
- 平成16年4月
- 同大学大学院 血液内科学分野 助教
- 平成20年4月
- 同大学大学院 血液内科学分野 講師
- 平成29年4月
- 同大学大学院 先端血液検査学分野 准教授
- 平成31年4月
- 聖マリアンナ医科大学 血液・腫瘍内科 教授