教授よりご挨拶

多摩の丘陵から世界へ…

 ようこそ、聖マリアンナ医科大学 血液・腫瘍内科HPへ。血液・腫瘍内科の、新井文子です。どうぞ、よろしくお願いいたします。
 聖マリアンナ医科大学に着任後、2年が経とうとしています。本学は、川崎市宮前区、多摩川近くの丘陵に位置しています。春夏秋冬を感じることのできる、緑豊かなこの地で、私たち血液・腫瘍内科スタッフは、血液疾患の治療、学生の教育、そして研究を日々行っています。

 当科の活動をご紹介します。私たちは、「臨床現場の問題と向き合い、その答えをだし、患者さんに、社会に還元する」を目標に掲げ、診療、研究、そして教育活動を行っております。

 診療領域では、造血器腫瘍を中心とした血液疾患の治療を、化学療法、造血幹細胞移植を中心に行っております。研究領域では腫瘍発症メカニズムを分子生物学的手法により解析しております。臨床医学と基礎医学を融合させ、難治血液疾患の病態の解明と治療法の開発を行う事が、血液内科医、研究者としての私の使命と考えております。血液疾患の中でも、白血病やリンパ腫などの悪性腫瘍を中心として扱い、特にEBウイルス陽性TもしくはNK細胞腫瘍である慢性活動性EBウイルス感染症(CAEBV)の診療、病態解明、そして治療法開発に力を入れております。CAEBVは西欧からの報告がほとんどない難治性疾患です。なぜ、ありふれたウイルスが一部のヒトで重篤な疾患を引き起こすのか?有効な治療薬は無いのか?CAEBVのみならず、すべての血液疾患が治るように、日々研鑽をつんでまいります。

 患者さんの治療にあたっては、信頼され、安心して治療を受けていただくことを第一に努めます。血液内科では抗がん剤治療や移植など、患者さんの闘病生活は楽ではありません。医師のみならず、看護師、薬剤師を含む医療チームで最大限のサポートをしながら、治療を行ってまいります。患者さんの生活の質も重視します。通院しながら抗がん剤治療を受ける患者さんを支え、安全、確実な治療に努めます。私達は、患者さんから信頼していただけるよう、知識、技術のみならず、人間性も高めるべく、研鑽を積み重ねる所存です。

 学生、研修医の教育では、患者に寄り添い、共感できる、人間味あふれる医師を育てます。そして、何よりもまず血液内科の面白さを伝えたいと思います。そして様々な場面で問題点を適切に抽出し解決することのできる医師、physician scientistsを育成します。

まだまだ小さい、若い教室です。
だからこそ、大きな「伸びしろ」があると思います。
「多摩の丘陵から、世界へ」、エビデンスを発信していきたいと思います。

聖マリアンナ医科大学血液・腫瘍内科教授
新井文子

略歴
昭和63年3月
新潟大学医学部卒業
昭和63年6月
東京医科歯科大学医学部附属病院医員
(東京都立墨東病院内科医員、東京都立駒込病院血液内科医員)
平成5年9月~平成8年3月
第一子および第二子出産のため、産休・育休開始
平成8年4月
東京医科歯科大学大学院医学系研究科博士課程(内科学専攻)入学
平成12年3月
医学博士取得(東京医科歯科大学)
学位論文題目「CrkL activates integrin-mediated hematopoietic cell adhesion through the guanine nucleotide exchange factor C3G.」 Blood. 1999 Jun 1;93(11):3713-22.
(宮坂信之教授、三浦修教授ご指導)
平成13年4月
東京医科歯科大学医学部 非常勤講師
平成14年11月
東京医科歯科大学大学院 腫瘍制御学分野 助手
平成16年4月
同大学大学院 血液内科学分野 助教
平成20年4月
同大学大学院 血液内科学分野 講師
平成29年4月
同大学大学院 先端血液検査学分野 准教授
平成31年4月
聖マリアンナ医科大学 血液・腫瘍内科 教授

2022年を迎えて

早いもので聖マリアンナ医科大学 血液・腫瘍内科教授を拝命し、3年が経とうとしております。皆様には格別のご指導、ご高配をいただき、誠にありがとうございました。厚く御礼申し上げます。

この間、予想もしなかった新型コロナウイルスパンデミックが私たちを襲いました。感染者急増の中、一時は通常の診療、研究、そして教育が遂行できない事態となりました。しかし、そのような危機的状況であればこそ、見えてきたものがございます。その一つが、月並みですが「仲間の力」でした。困難に立ち向かう中で、お互いカバーし合い、そして思いやれる血液・腫瘍内科になれたと確信しております。

オミクロン株の出現とともに、パンデミックも新たな局面が予想されます。血液・腫瘍内科も大きな影響を受けると推測しています。しかし、私は今「この仲間となら、何とかなる、何とか出来る」と希望を持っています。そしてこの先も持ち続けたいと思います。この「くじけない楽観主義」を2022年の柱とし、さらに発展する一年にしたいと思います。

写真は上高地の梓川です。この流れのように、清らかに、しなやかに、そして大地を潤す存在としての血液・腫瘍内科でありたいと思います。始まりは小さいかもしれませんが、やがて大河になれるよう、医局員一同邁進いたします。

本年も何卒よろしくお願い申し上げます。

2022年1月
聖マリアンナ医科大学血液・腫瘍内科教授
新井文子